海亀つながり

2004年3月3日
 日本で海亀といえば、なんといっても「浦島太郎」。異空間旅行、時間の伸縮、変身譚と、物語の面白さが詰まった不思議な物語です。
 この物語の起源は『日本書紀』や『丹後国風土記』にあるらしいけど、実際の漁師の漂流譚ではないかという説もあるとのこと。例えば琉球諸島の海底にある古代遺跡が竜宮城に相当し、それが琉球諸島に伝わる「ニライカナイ(常世・神の国・浄土)」(by折口信夫)と関係があるのではないかとか。
 確かに古代、モンゴロイドがアジア大陸からアメリカ大陸に渡ったころは、海底面が今より百数十m下がっていたので(それでベーリング海峡が陸橋になって渡れた)、当時の海岸にあった石の建築物が海底に残っていても不思議ではない。
 ただ、神話や民話にある、こちらの世界と神々のいる世界という二世界物語は、そのころからあったはずなので、漂流譚や古代海底遺跡と結びつけるのもどうかと思う。
 「琉球諸島では、浜辺を訪れる亀は神として大切にされている。」とのことだが、そうすると、神の国へのあこがれを抱く人間が、海亀に乗ればそこへ行けるかもしれないと考えるのも、ごく自然なことかもしれない。そしてこの世の人が行ってはならない神の国を訪れた者には、必ず犯してはならない禁止事項が言い渡される。見聞きしたものを話してはならない、後ろを振り返ってはならない、玉手箱をあけてはならないといったことだ。そして人間の好奇心のあまりその禁忌は当然破られ、償いを受けることになる。

 本物の海亀スープというのは高級料理で、めったに食べることなどできない。でも沖縄には海亀料理というのがあるらしい。味をみる程度でいいから、どんなものかちょっとスープを飲んでみたい気がする。

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